日本サイト以外でも使えるWebクローラー

「海外サイトの商品情報」を取得したい時に威力を発揮!

通販サイトは、日本国内の商品だけでなく、海外の商品も多数取り扱って。また、「爆買い」というキーワードが話題になったこともありましたが、昨今観光で日本を訪れる外国人客はうなぎのぼりに増加しており、高品質な日本製品をおみやげとして購入していくばかりだけでなく、帰国してからも定期的に使いたいというニーズも増加しています。そのため、商品価格や売れ筋をチェックする際に、国内サイトだけでなく海外サイトもチェックしたいというニーズも増加しています。

商品価格をチェックする際、どのようにチェックしていますか? 通販サイトを巡回して商品名や型番、機種などを入力し、該当商品をピックアップしてデータをコピー&ペースト……この作業を人力ですべてやっているという企業も少なくないことでしょう。

日本語のサイトであっても、こんな作業を膨大なインターネットの情報の中から繰り返すことは、気が遠くなることです。作業にあてる人的リソースやコストもかかってしまいます。

それをさらに、海外のサイトまで手を広げてやろうとすると、外国語がわかる人材が必要になるほか、せっかく作業を行ったとしても、間違ったデータを取得してしまい、作業にかけたコストが無駄になる、収集したリストの確度が下がる……といったリスクも考えられます。

そこで、めんどうなデータ収集はいっそ、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)で自動化してしまいませんか。

コンピューターが得意な作業はコンピューターに任せ、人間は人間にしかできない作業に専念

RPAとは、人力でやっていた作業をコンピューターに任せて、自動化してしまおうという考え方です。たとえば、データの検索やコピーなどは、自動的に作業を行うプログラムを組んでしまえば、どんな膨大なデータであっても、ものの数秒で済んでしまう作業です。どんなに優秀な人材であっても、コンピューターと同じスピード・正確性でデータ収集ができないのははっきりしています。コンピューターが得意な作業はコンピューターに任せて、人間は人間にしかできない作業に専念しましょう、というのがRPAを導入する意義です。

Webサイトからデータを収集し、リストアップするというRPAの場合、活躍するのはWebクローラーです。Webクローラー(Crawler)とは、ロボット型検索エンジンがWeb上のファイルを巡回することで、情報を収集するプログラムです。グーグルのような検索サイトでも、情報を収集するのにクローラーが使用されているので、Webマーケティングに詳しいEC担当者であれば、耳にしたことがあるかもしれません。

クローラーは、検索サイトの構築だけでなく、そのほかのWebサイトを巡回してデータを収集するという作業でも活用できます。

毎日・毎週などの検索頻度を設定し、必要なデータを指定するだけで、欲しいデータを自動的に集めてきてくれます。外国語のサイトであっても検索キーワードを設定できるので、きちんと情報が収集できます。

収集したデータは、リスト化し、データベースにしたり、CSVでダウンロードすることも可能です。リストやグラフなどの「見える化」もしやすくなるので、営業資料や企画書に落とし込みたいときもラクラクです。

企業のコア・コンピタンスとは何かを考える

クローラーを導入する意義は、単なるコスト削減にとどまりません。「コンピューターが得意な作業はコンピューターに任せ、人間は人間にしかできない作業に専念」するという考え方を上に示しました。これは、企業のコア・コンピタンスを強化するという考え方につながります。コア・コンピタンスとは、企業活動の核となるもの、強みのことをいいます。

たとえば、これまでデータ収集担当者としてスタッフを1人配置していたとします。クローラーを導入した場合、確かにプログラムの導入費用などのイニシャルコストは発生しますが、スタッフ1人分の人件費や作業が空くことになります。その分を、例えばマーケティング活動や販売戦略の立案、仕入れ交渉や売れ筋商品の分析など、販売拡大につながるコア業務に振り分けることができるようになります。

戦略立案やマーケティングなど、クリエイティビティが必要とされる分野は、コンピューターがまだ人間の能力に追いついていない分野です。

事業を勝ち抜けるかどうかは、非コア業務の効率化にかかっている

グローバル化で、競合が海外企業や海外サイトにまで広がる中、ビジネスを勝ち抜いていくカギは、コア・コンピタンスではない作業や業務(非コア業務)の効率化を図っていくかにかかっています。

もちろん、価格調査は販売戦略の立案に欠かせない作業ではありますが、人間が介在すべきなのは、取得したデータをどのように活用していくか、という部分のみです。データの収集のような面倒な作業は自動化プログラムで効率を上げ、事業基盤の強化に注力しましょう。

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