ショップ運営で避けられない商品の競合価格・品揃えの確認

これらの作業はWebクローラーで効率化できる!

近年、インターネットやスマホ・タブレットなどモバイル閲覧端末の発達に加え、参入障壁の低さから、リアル店舗のほかに、自社のECサイトを設けている業者は少なくありません。さらに、店舗を持たずECのみだけで販売している業者も増えています。そうした中で、ユーザーに「選ばれる」ECサイトになるためには、価格と品揃えが大きなカギとなります。

経済産業省の「電子商取引に関する市場調査 平成25年度」によると、消費者がネットショップを利用する際、どのようなショップを利用したいかという選択基準において、「価格が安い」(67.7%)「商品数が豊富である」(56.8%)「商品の検索/絞込みができる」(35.8%)が上位に来ています。実際、ネットショップを利用する半数以上の人が価格と品揃えを重視していることがわかります。

新商品を継続的に販売し、常に品揃えを充実させていかなければならないECサイトでは、手頃な価格と売れ筋の商品をラインアップしていくために、定期的に他ECサイトの競合価格と品揃えを確認する必要があります。

しかし、星の数ほどある競合の中から、めざす商品情報を探し出し、ひとつひとつ抽出していくのは容易ではありません。人力では膨大な時間がかかります。

そこで、活用したいのがWebサイトの情報を自動的に抽出・収集するWebクローラーです。今回は、ECサイト運営事業者のクローラーの活用事例を紹介します。

ShtockDataはHTML・画像・PDF全てを収集しマーケティングに活用

Webクローラー(Crawler)とは、ロボット型検索エンジンがWeb上を巡回することで、情報を収集するプログラムのことです。クローラーによって収集されるデータは、HTML文書だけでなく、画像・PDFまで含む全てです。

SEO対策などに詳しいWeb担当者・EC担当者の方で、クローラーと聞いてまず思い浮かべるのは、グーグルなどの検索エンジンかもしれません。検索エンジンでは、クローラーによって収集されたデータがインデックス化され、巨大な検索データベースが作成されます。日々収集されるこれらのデータが、検索結果に反映されているのです。

Webクローラー(Crawler)は、検索エンジンのみならず、業務用途でも活用されています。サイトの特性に合わせてデータベースを作成することで、競合の価格調査、市場調査などのマーケティングに活用できます。

例えば、上述したようにECサイトの運営事業者が、競合の商品調査・価格調査をしたい場合。ここでは、スマホのカバーやアクセサリーを販売しているサイトとしましょう。カテゴリ別販売ランキングや競合ECサイトの価格と品揃えを定期的にチェックすることで、マーケットの変化をいち早く捉えることができ、迅速な販売戦略の展開が可能です。

まず、カバーなりイヤホンなり、ターゲットとなる製品を決めたら、クローラーに楽天市場やアマゾンなどのECサイトを巡回させ、価格情報や製品の画像などを取得させていきます。人力が必要となる場面はほとんどありません。必要な指示さえ与えれば、あとはプログラムが自動的にデータを取得していきます。

特定の商品であれば、わすか数分~数時間でサイト内の全データを取得できます。人力でやっていたら、一体何時間かかるか分からない作業も、クローラーの圧倒的な情報収集・処理能力を生かして、短時間で終えることができるのです。

取得した情報の加工は面倒くさい?

取得した価格情報や画像データなどは、マーケティングや販売戦略の立案する際の資料などに活用されます。その際、データが扱いにくい形式だと、データ分析に時間がかかり二度手間になってしまいますね。コンピューターが自動取得した情報だと、後で分析しにくいのでは?と疑問に感じる方もいるかもしれません。

その点、最近のクローラーは、取得したデータをCSVなどの人間が扱いやすい形式にしてデータを出力してくれる機能もあるので心配ありません。

単なるコスト削減にとどまらない経営資源の有効活用・コア・コンピタンスの強化にもつながる!

このように、Webクローラー(Crawler)を導入することで、人力では実現が不可能な膨大なデータを短時間で取得し、システマチックに自動提供できます。人力で何時間もかけて行っていた作業を自動化する、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)の活用例のひとつといえます。

さらに、こうしてコンピューターにでもできる定型的な業務に自動プログラムを活用することによって、人件費や作業コストを圧縮できるだけでなく、リソースを企画立案やマーケティングなどもっとクリエイティブで重要なほかの業務に振り分けられるようになります。

クローラーの活用は、単なるコスト削減にとどまらない経営資源の有効活用や、コア・コンピタンスの強化にもつながるといえます。

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