ECサイトの運営において、他店での価格調査は日々欠かせないもの。担当者は競合サイト以外にも楽天・Amazon・ヤフーショッピングなどなど・・・。対象のWebサイトは非常に多く、情報収集を人手に頼っていると特定のサイトに偏ってしまい十分な情報が集められずに、調査が十分に行えないというお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そうした調査において、今後その活用が期待されているのがWebスクレイピング。人手では行えないような競合サイトの膨大なデータの収集や分析、情報の一括取得によって、ECサイトの運営業務を今よりも格段に楽にすることが可能になります。Webスクレイピングによる様々なメリットを紹介します。
メリットその1. 単純作業の自動化によって、作業負担が大きい調査も簡素化できる
情報収集や資料作成などは、誰にでもできる単純作業とはいえ、様々な情報をEXCELや管理画面などに入力する手作業となり面倒な上、時間もかかる定型業務の一つと言えます。ベテランの手慣れているスタッフであっても、情報の検索や収集、登録には時間がかかり、手作業による負担が大きくなると、それにつきっきりになってしまい、そのほかの業務に割く時間がなくなってしまいます。
Webサイトに掲載されている顧客の情報を手作業で登録する場合、Web上や添付されているファイル内のテキスト情報をコピーして貼り付けたり、画像やPDFに記載されている文言を手打ちしなければなりません。
しかし、Webスクレイピングを使用すれば、Web上に記載されているテキスト情報はもちろんのこと、添付されているWORDやEXCEL、PowerPointなどのファイル内の情報、PDFファイル内のテキスト部分の情報も抽出できるので、面倒な手入力が不要になります。それによって、いままで何十人で分担して収集していた競合他社の情報も、手間なく一括で取得することが可能になるので、業務時間や人員の大幅な削減が実現できます。
メリットその2. 手作業によって起こるケアレスミスなしに、大量の情報を正確に集められる
どんなに注意を払っている人でも、ケアレスミスは起こしてしまうものです。特に、企業名やブランド名、商品名、商品の型番、価格の金額、日時などは、間違いが許されない重要な情報です。こうした情報の入力を1人1人のスタッフが手作業で行うことによって起こるミスも、Webスクレイピングを用いることで防ぐことができます。
Webスクレイピングの場合、Web上の文字列をコピーしてくるだけではなく、金額やエリア情報のコード化、海外価格の円換算なども可能です。また、事前にルールを定義しておくことで、単位などを正規表現を使って自動で付与することができます。また、商品の型番などは、Webサイトによって記載方法が異なることもありますが、Webスクレイピングによって、同一製品を識別することができるので比較も容易に行うことができるようになります。
そのため、サイトによって変わる様々な書式であっても、面倒な作業が必要なく、一定の形式で情報入力できるので、正確かつ簡単な情報の登録が行えます。また、新着情報が飛び交うようなサイトからの情報収集など、人手では実現が不可能なほどの膨大なデータにおいても、短時間で情報を漏らすことなく収集することができる上、収集したデータは見やすく分かりやすいデータフォーマットで提供することができるので、スタッフに業務負荷をかけることなく、かつ人員の削減にもつなげることができます。
メリットその3. 繰り返し同じ情報を取得するようなデイリー業務も、自動で簡単に行える
他社よりも安く商品やサービスを販売・提供したい。そのためには、競合他社のWebページを確認し、同一製品の設定価格調査をデイリーで行えば、価格競争に負けない価格設定が実現できます。しかし、それを人の手で行おうとすれば、調査には大人数のスタッフの導入が必要になり、人件費が膨れ上がり、何より精度が高くなければ、期待通りの成果も出せません。
例えば、こうしたデイリー業務においても、Webスクレイピングが有効活用できます。特定の時間にWeb上から最新のデータを収集する設定を行えるので、手間なくミスなく競合の情報を収集し、営業情報に活かせるデータの作成が可能になります。
こうした情報収集を自動化することで、ルーチンワークに回していた時間を削減できるばかりでなく、営業により早い情報提供ができるので、営業範囲の拡大や交渉力強化などの営業力の強化、はたまた、サービス力の向上のための新しい戦略を練る時間の確保が可能になるなど、ヒューマンリソースを有効活用することにもつながります。
まとめ
ECサイトの場合、日々価格や商品情報などの必要な情報をいち早く仕入れて効率よく業務を行う必要があります。そのためには、たくさんのサイトから最新のデータを効率よく正確に集めなければなりません。Webスクレイピングを導入すれば、情報収集にかける手間やコストを大幅に削減できるので、ビジネスチャンスを拡大することができます。