海外の不動産テック企業15選 Part.2はこちら
このページで紹介する不動産テック企業
- 7社目:新たなテクノロジーの拙速な導入ではなく、顧客を理解するサービスの徹底【Trulia】
- 8社目:機械学習*によって正確かつ迅速に物件の適正価格を見積もるシステムを構築【Redfin】
- 9社目:洗練されたサイトと管理ツールを提供する不動産テックビジネスモデルを確立【Movoto】
- 10社目:不動産取引の関係者がWin-Winの関係になる不動産専門のデータ分析企業【offrs】
- 11社目:顧客に最適なエージェントを紹介する不動産マッチングサービスを提供【HomeLight】
「住み心地」の情報を提供するTrulia
Trulia(トゥルーリア)
テクノロジーが描く引っ越し先の生活
Truliaはアメリカのサンフランシスコに本社を構える不動産テック企業です。同社は2005年に設立され、2008年にはMicrosoftの地図ソフトVirtualEarthを利用して物件所在地の周辺情報を閲覧できる「Snapshot」というサービスを提供するなど、いち早く不動産へテクノロジーを導入する企業として注目を集めてきました。
Truliaの特徴
- 物件所在地の周辺情報を徹底的にGoogleMap上で可視化
- クラウドソーシングにより収集した地域における住み心地のレビュー
Truliaのサービス内容は日本のSUUMOやHOME’Sに似ています。物件の所在地、間取り、価格、設備、内観等々、基本的な物件情報はもちろん掲載されています。
Truliaはそれらに加え、物件所在地の周辺情報を徹底的に収集し、GoogleMap上にて可視化しています。また、クラウドソーシングを活用し、物件の周辺地域に関する住民の評価も可視化しています。
優秀なモバイルアプリ
TruliaのサービスはWebブラウザとモバイルアプリで利用できます。実際に利用してみたところ、モバイルアプリ版はUIが洗練されており、利便性も非常に高いと感じられました。
Truliaのスマホアプリ
Truliaのサービスでは、犯罪情報、学校所在地、移動手段ごとの通勤通学時間、ショッピング情報、住民統計等々、カテゴリごとの情報をグラフィカルに提示してくれます。
また、それぞれの情報は日常生活に密接したものに絞られています。例えば犯罪情報であれば窃盗、暴力行為、逮捕、器物破損、強盗といった、日常生活において重要な犯罪情報をピックアップしています。
お問い合わせ未来の新生活はNeighborhoodsが教えてくれる!
Truliaは「新居における生活を知りたい」という顧客のニーズに応えるため、Neighborhoodsという独自のサービスを提供しています。Neighborhoodsでは物件の周辺住民から、その地域がどのような評価を受けているのか知ることができます。
ちなみに、Neighborhoodsに掲載されている情報はクラウドソーシングによって Truliaが地道に収集したものです。
Truliaによって収集された地域情報や近隣住民のコメント
近隣住民の親切さ、徒歩圏内の飲食店は豊富か否か、夜道を一人で歩けるか否か等々、様々な項目について近隣住民による投票が集まっています。
「犬を飼いやすいかどうか」というアメリカらしい項目もあります。また、「What Locals Say」という項目には住民による短文のコメントが寄せられています。
ここで注目したいのは、Neighborhoodsには住民の主観に基づく住み心地が反映されている、という所です。Truliaは徹底したシステム化によるスマートなサービスであると同時に、住民の声を丹念に拾い集めるという人情味に溢れたサービスにもなっています。
Truliaによれば2018年8月時点におけるNeighborhoodsのレビューは 1,600万件以上にのぼり、現在もレビュー件数は増加しているとのことです。
Truliaを模倣するだけでは意味がない
Truliaがアメリカの顧客から大きな支持を得ている理由は「より住み心地のよい世界を構築する」というミッションを掲げ、そのミッションへ真摯に取り組んでいるためです。
日本においても不動産とテクノロジーを融合させる取り組みは様々に試みられていますが、消費者のニーズから外れたテクノロジーを導入しても徒労に終わることでしょう。
私たちがTruliaの事例から学ぶべきことは、新たなテクノロジーの拙速な導入ではなく、顧客を理解するという企業活動の基本なのかもしれません。
Truliaの基本情報
会社名:Trulia
会社URL:https://www.trulia.com/
国籍:アメリカ
不動産仲介業に価格破壊をもたらすRedfin
Redfin(レッドフィン)
カスタマー・ファーストを貫く実直なビジネスモデル
Redfinはアメリカのシアトルに本拠地を置くオンライン不動産仲介業者です。2004年、David Eraker、Michael Dougherty、David Selingerによって設立されました。
Redfinが本格的に不動産仲介業を開始したのは2006年、NASDAQに上場したのは2017年です。
Redfinの特徴
- Redfinが受け取る仲介手数料は業界標準の半分以下!
- 広告掲載料に頼らないオンラインビジネスモデル
- 社内に多数の不動産エージェントを抱える「不動産仲介業者」
- MLS*を駆使した圧倒的なデータ更新頻度
*MLS:Multiple Listing Serviceの略。不動産の売り情報を仲介業者が共有する仕組み
お問い合わせ圧倒的に安い Redfinの仲介手数料
アメリカにおける不動産売買の仲介手数料は2018年時点で約800億ドル、日本円にして8兆円以上にのぼります。Redfin創業者の一人であるDavid Erakerはこの状況に疑問を呈し、創業当初より不動産仲介業のビジネスモデルをテクノロジーによって刷新しようと企図していました。
Redfinが売り手の不動産エージェントとして受け取る仲介手数料はなんと相場の半分、1.5%です。地域によっては条件付きながら1%にまで値下げしている場合もあり、今後も仲介手数料が下げられる地域は増える見通しです。
これはもはや不動産仲介手数料の価格破壊と言っても過言ではありません。
Redfinの仲介手数料 出典:Sellers save thousands with our low 1.5% listing fee
それでも収益の柱は仲介手数料
Redfinは経営理念として「広告収入に頼らない」と宣言しています。Zillowのように広告収入モデルを採用した方が容易く利益を上げられるということはRedfinも承知しています。それでもカスタマー・ファーストを貫くため、テクノロジーを活用して仲介手数料の価格破壊に取り組んでいるのです。
実際に、2018年における Redfinの売上のうち、実に89%を仲介手数料が占めています。広告掲載による収入は全くありません。Redfinとしばしば比較されるZillow Group は全く対照的です。2018年におけるZillow Groupの売上のうち、96%が広告収入となっています。
【Redfinの売上構成】
【Zillowの売上構成】
テクノロジーが支えるRedfinエージェントの業務効率
破格の仲介手数料で収益を上げるため、Redfinは様々なテクノロジーを駆使して業務の効率化を図っています。Redfinによれば、Redfinエージェントは旧来の不動産エージェントに比較して三倍もの作業効率を誇ります。
Redfinが誇るテクノロジーの中でも群を抜いているのがデータの更新頻度です。Redfinに掲載される物件情報のリストはほとんどの場合、なんと5分毎に更新されます。
すなわち、Redfinは MLSへの直接アクセス権を持っているために、最新かつ正確な不動産情報を自社サイトへ反映できるのです。これがZillowをはじめとする多くのオンライン広告業者に対する優位性となっています。
他にも、Redfinは MLS のデータと自社内で保有するデータを組み合わせ、機械学習*によって正確かつ迅速に物件の適正価格を見積もるシステムを構築しています。
従来、物件の見積価格はエージェントが人力で作成していました。機械学習を活用することでRedfinエージェントの作業効率が大幅に改善されました。
*機械学習:サンプルデータを入力して解析を行い、そのデータから有用な規則、ルール、知識表現、判断基準などを抽出し、アルゴリズムを発展させること。
Redfinは不動産仲介業の革命児となれるか
一般的に、住宅売買の成約には長い時間がかかります。従って、ビジネスモデルの観点からすればRedfinのキャッシュフローは悪いと言えます。
創業から14年をかけてようやく NASDAQ への上場を果たしたことを見ても、Redfinの成長速度は鈍いと言わざるを得ないでしょう。
もちろんRedfinの成長速度を好意的に解釈することもできます。創業当初から貫かれてきたカスタマー・ファーストの信念が着実に顧客からの信頼を獲得し、結果としてNASDAQ上場を果たしたのだと見ることもできるでしょう。
カスタマー・ファーストの信念を維持しつつ、今後はどのような成長を遂げるのか。Redfinは目が離せない不動産テック企業のひとつです。
Redfinの基本情報
会社名:Redfin
会社URL:https://www.redfin.com/
国籍:アメリカ
広告掲載料にも仲介手数料にも頼らない不動産ビジネスとは?
Movoto(モボート)
不動産 × SaaSに挑むMovoto
Movoto は2005年にサンフランシスコのシリコンバレーでスタートアップした、「不動産物件ポータルサイト」提供企業です。 Movoto は、広告収入や仲介手数料に頼らない不動産仲介会社として成長を続けています。では Movoto のビジネスを紹介しましょう。
Movoto の特徴
- 広告の無い不動産ポータルサイトで、顧客主導で物件を選択できます
- MLS※へ直接アクセスできる不動産仲介業のライセンスを保有
- 不動産エージェントへ管理システムを提供(SaaS※型のビジネスモデル)
*MLS(Multiple Listing Service):不動産に関する諸情報を仲介業者にて共有するアメリカのデータベース
*SaaS(Software as a Service):必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるソフトウェア
不動産仲介ポータルの区分
同じ様に見える様々な「不動産仲介ポータルサイト」ですが、大別すると「認可された不動産仲介会社」と「オンライン広告会社」が運営する場合の2つに分類されます。
今回紹介するMovotoは、全米50州(2018年)で認可を受けた不動産仲介会社です。認可仲介会社はMLSを活用できるので、広告会社が運営する仲介ポータルサイトより、以下の点で大きな優位性を発揮できます。
- 正確な情報の提供
- 情報鮮度の良さ
- 大量情報による高い網羅性
非広告サイトのメリット
認可仲介会社のサービスの中で、Movoto と Redfin は、広告なしの不動産仲介ポータルサイトです。
オンライン不動産仲介では、エージェントや仲介業者の広告を掲載することで、より大きな収益を得ることが一般的です。
しかしながら、利用者から見れば、オンライン上で工夫をこらして露出される広告物件は、本当に自分にマッチする物件を見出す際の判断を妨げてしまいます。
Movotoでは利用者に公平な情報で、よりマッチする物件を選択してもらうため、広告収入を切り捨て、利用者により良い情報を提供することで仲介ポータルサイトの価値を高めています。
洗練されたサイトと管理ツールを提供するビジネスモデル
一般の不動産仲介会社の収益源である仲介手数料を取らず、洗練された仲介ポータルサイトに集まる見込み客に、効率よく物件を仲介できる業務支援アプリを月額定額で提供するのが、Movotoの収入です。
Movotoは、オンラインでの集客と業務ノウハウを満載したサービスにMLSから得られる豊富な情報をシステムと融合したサービスとして提供するIT企業顔負けの新しい不動産テックビジネスモデルを確立しました。
Movoto がエージェントへ提供する業務支援アプリ(2014年時点)
出典:https://www.youtube.com/watch?v=71NPblaoycI
Movotoを利用するエージェントは、不動産売買の仲介手数料を全て受け取ることができます。 必然的に、 Movoto には成約件数の多い優秀なエージェントが集まることになります。
Movoto は「手数料より良い物件と優秀なエージェントに出会いたい」という顧客ニーズへのマッチングを実現しました。
一方Redfinはすでに解説したように、IT技術を活用し仲介手数料を大幅に値下げすることで「とにかく安く不動産を購入したい」という顧客ニーズに応えています。
以下に Movoto と Redfin の収益構造を図示します。黒い矢印は情報やサービスの流れを、赤い矢印はお金の流れを示しています。
【Movotoの収益構造】
【Redfinの収益構造】
Movoto と Redfin は広告収入に頼らないという点では類似する不動産ポータルサイトですが、収益構造は大きく異なることがお分かり頂けるでしょう。
Movoto の成長
Movoto には、業務支援アプリを利用するエージェントの人数によってダイレクトに収益が増減するという特徴があります。
成約件数を上げられないエージェントは、アプリ使用料が収入を圧迫するので、利用を続けることができなくなります。
従って、優秀なエージェントをいかに Movoto のサービスへ取り込むかが収益増の鍵となります。限られた数の優秀なエージェントを自ら獲得したり、各地の不動産代理店とパートナーシップを結んだりと、積極的にアクションを起こしています。
事業領域を幅広く考え、新しい分野で活路を見出した不動産テック企業として、今後も Movoto の動向に注目していきたいところです。
Movotoの基本情報
会社名:Movoto
会社URL:https://www.movoto.com/
国籍:アメリカ
将来の売り出し物件を予測するoffrs
offrs(オーファズ)
ビッグデータ×不動産業界のあるべき未来とは?
offrsはフロリダに拠点を置く、不動産専門のデータ分析企業です。2013年に不動産エージェントのMark Dicksonと、エンジニア兼数学者のRich Swierによって設立されました。
offrsのサービスは、ビッグデータ分析をもとに「1年以内に売り出されるであろう物件」を精度よく予測することです。不動産エージェントは offrsの予測をもとに、無駄なくターゲット広告を打つことができます。
offrsの特徴
- 1年後に売り出される物件を70%もの高精度で予測する。
- 予測にはビッグデータと機械学習を利用している。
- 多様な広告形態でターゲットへリーチする。
驚きの予測精度
offrsはビッグデータと機械学習を利用し、今後1年以内に売りに出される物件を予測しています。 offrsによると、彼らが構築した機械学習アルゴリズムの予測精度は65%~75%、平均して70%にも達します。この予測は広告の出稿を効率化するために役立てられます。
ある地域に存在する物件のうち、一年間に5%が売りに出されるとしましょう。全戸数が2000戸であれば100戸が売りに出されることになります。
この地域へ不動産エージェントがランダムに広告を出稿した場合、当然ながら広告がターゲットとなるオーナーへリーチできる期待値は5%です。100件の広告を出稿した場合、ターゲットには5件にしか届きません。
ここで offrsを利用すると期待値は70%にも達します。100件の広告を出稿して70件ものターゲットへ届けられると考えると、 offrsの予測を利用したターゲット広告がいかに効率的か、具体的に想像がつくのではないでしょうか。
多様な広告形態
offrsを利用するエージェントはターゲットとなるオーナーのEメールアドレス、住所、電話番号、SNSアカウントなどを知ることができます。すなわちエージェントはEメールだけでなく、ポストカードや投げ込みチラシといったアナログな広告手段も含めて最適な広告手段を選択できます。
予測の基礎となるデータ
offrsは20項目以上のデータソースを分析対象としています。例えば以下のようなデータを分析にかけていることが明示されています。
- 物件の固定資産税
- 納税記録
- カスタマーに関連する各種データベース
- クレジットスコア
- Webサイトの閲覧記録
offrsは独自のアルゴリズムを用いて膨大なデータを処理し、「物件を売りに出す人」の特徴を抽出しています。
不動産データが可視化される世界
アメリカでは条件を満たせば、日本では考えられないような個人データをも分析に利用できます。個人の信用度を測るクレジットスコアについては、スコア会社が承認した人や会社であれば誰でも照会できることが日本でもよく知られています。
また、物件の固定資産税や納税記録はMLSに記載されています。
offrsのビジネス可能たらしめる最大の理由は、アメリカでは様々な個人データがオープンであることとデータを利活用することへの社会的な合意があるためです。
offrsによってエージェントは物件を売りたいオーナーを知ることができますし、オーナーは必要な広告だけをエージェントから受け取ることができます。不動産取引の関係者がWin-Winの関係になるビジネスだからこそ、offrsは成立しているのです。
日本の不動産業界でもビッグデータを利用する取り組みが進んでいます。私たちがoffrsから学べることは、不動産業界においてビッグデータの活用を図る際には「誰も損害を被らない」仕組みとすることと、データを利活用することへの社会的な合意を形成することではないでしょうか。
offrsの基本情報
会社名:offrs
会社URL:https://offrs.com/
国籍:アメリカ
物件を扱わない不動産テック企業 HomeLight
HomeLight(ホームライト)
ビッグデータ×不動産業界のあるべき未来とは?
HomeLight は不動産テック企業でありながら、物件そのものは取り扱わない、という新たなビジネスを興したことで注目を集めています。2010年に Drew Uher によって設立された同社は本拠地をサンフランシスコとしています。
HomeLight は2017年3月に1,100万ドル、2017年8月には4000万ドルもの資金調達を実現しています。特に2017年8月の資金調達時には、データの巨人である Google から独立したスタートアップ投資企業 GV (旧 Google Ventures)も投資したことで話題になりました。
今後の成長が期待されていることは間違いないでしょう。それでは一体、 HomeLight の何が注目されているのでしょうか?
HomeLightの特徴
- 不動産エージェントの紹介に特化したマッチングサービス
- データドリブンサービスで不動産業界に斬り込む挑戦志向
人と人を繋ぐサービス
従来、顧客が優良な不動産エージェントへ出会うためには、知己から紹介してもらうか、長く付き合うことで良し悪しを判断するしかありませんでした。この「不便さ」に目を付けたのが HomeLight です。
HomeLight は顧客にとって最適なエージェントを紹介するサービスを提供しています。マッチングに特化しているため、同社は不動産テック企業でありながら、物件そのものは全く取り扱いません。
物件のことは不動産のプロフェッショナルであるエージェントに任せ、テック企業である HomeLight はマッチングサービスに注力する、という割り切った姿勢が覗えます。
HomeLight を利用する顧客はいくつかの質問に答えるだけで、最適なエージェントを紹介してもらえます。例えば物件を売却したい場合は「都市名」「物件の種類」等々、8つの情報をボタンから選択入力するだけです。
出典:https://www.homelight.com/find-a-real-estate-agent
最終的には電話かメールにて、 HomeLight が選出したエージェントからの連絡を受けることになります。マッチングはとてもスピーディで、入力後わずか10分足らずでエージェントからの連絡が来ることもあります。
HomeLightのデータドリブンサービス
データドリブンという言葉をご存じでしょうか。データドリブンとは、ビッグデータを分析することで様々なサービスを生み出し、サービスから生成されたデータを再びビッグデータ分析する、というサイクルのことです。
あるデータから新たなデータが次々と生み出され、サービスの原動力となることからデータドリブンと呼ばれています。
スピーディかつ精度の高いマッチングを実現するために、 HomeLight は2,900万件もの不動産取引データと、200万人以上の不動産エージェントに関するデータを保有しています。
HomeLight はAI技術等々を駆使してこれらのビッグデータを分析し、顧客ごとに最適なエージェントを紹介しています。そして紹介した結果をさらにビッグデータとして蓄積し、マッチング精度を向上させています。
すなわち、HomeLight のサービスはデータドリブンであり、良質なデータと正確なデータ分析こそが同社の生命線なのです。
成約課金型ビジネスモデル
HomeLight は物件売買の成約時に、不動産エージェントの取り分である仲介手数料から紹介料としてマージンを受け取ります。 HomeLight の収益源はこの紹介料のみです。従って、もし売買が不成約に終わればエージェントと同じく HomeLight も収入を得られません。
少しでも収益を上げるため不動産エージェントに対し、自分自身のPR広告をサイトに表示させることはしません。
HomeLight が断固として広告課金を実装しないことには理由があります。広告によって特定のエージェントを意図的に優遇すると、データからは客観性が失われ、リアルな不動産取引データを得られなくなります。
データ分析において、データが客観的、かつ正確であることは何より重要です。良い分析結果は良いデータからしか得られません。故に、 HomeLight はサービスの基礎となる「データの質」を落としかねない広告を嫌うのです。
HomeLight の成長性やいかに
各界から注目を集めている HomeLight ですが、直接的に収益をコントロールできないという弱点を抱えています。 HomeLight は仲介手数料からマージンを取ることで利益を得ています。逆に言うと、紹介したエージェントが成約できなければ利益を得られません。
HomeLight をウォッチする際には、この点をいかに克服していくのかという所にも注目したい所です。
HomeLightの基本情報
会社名:HomeLight
会社URL:https://www.homelight.com/
国籍:アメリカ
第4回の不動産テック企業15選は…
中国の不動産市場に”信用”を創造した「链家(LianJia)」、民泊サービスで時価1000億円を超える企業に成長した「Xiaozhu(小猪)」等、知られざる「中国の不動産テック企業」その驚きの実態をご紹介します。
【次の記事】 日本人が知らない「中国の不動産テック企業」驚きの実態を解説
海外の不動産テック企業15選
No.1 | 日本よりも進んでいる!海外の不動産テック企業15社のまとめ |
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No.2 | 業界の破壊者となるか!?インドの不動産テック企業OYOが日本進出! |
No.3 | IT + 不動産 × アイデア で創造された不動産テック最新ビジネスモデル |
No.4 | 日本人が知らない「中国の不動産テック企業」驚きの実態を解説 |
ネット普及以前から、IT業界で30年以上勤務。
ハードソフト両面でのネットワーク普及からネットコンテンツの創出運営まで幅広い業務を経験。
趣味:模型グライダー