Dataiku 13.4 機能紹介 AI Agent~LLMの応答の高度化

1.はじめに

先日(2025年2月9日)、Dataiku ver 13.4.0 がリリースされました!前回のブログではドキュメントからの埋め込みを紹介しました。今回はもう一つ注目したい新機能である「AI Agent」を紹介します。

https://doc.dataiku.com/dss/latest/release_notes/13.html#version-13-4-0-february-9th-2025

2.AI Agent

AI Agentとは、定義は様々ですが、LLMを活用し複数のタスクを自律的に実行できるシステムのことを指します。ユーザーの指示なしに、定められた範囲内でAPIやデータベースを活用し、定められたタスクを実行することができます。

Dataiku上で様々なAI Agnetを構築することが可能です。

https://doc.dataiku.com/dss/latest/generative-ai/agents/introduction.html#types-of-agents

Dataiku上ではノーコードでエージェント作成できるVisual Agentとコードを書いてエージェントを作成できるCode Agentの2種類があります。

今回は、ノーコードでエージェントの作成ができるVisual AgentをつかってAI Agentを作成し、チャットボットへの応用をしたいと思います。

実際の操作画面をYoutubeにアップロードしています。ノーコードでAI Agentを用いたチャットボットが一気にできる様子が分かります。

3.エージェントの設定方法

今回使うデータは前回でのブログで使用した静岡旅行のpdfと静岡県の自治体のデータセットを使います。このデータセットには市町と人口が格納されています(2025年2月時点)

フローとしては以下のような形になります。

静岡市町村人口のデータセットには以下のように市町名と人口が格納されています。

今回作成するエージェントは「データセットから該当するレコードを検索するエージェント」と「pdfから埋め込みが行われた文書を引っ張ってくるエージェント」の二つのエージェントを作成します。

エージェントを作成する場合、上部のタブからAgent Toolsを選択します

Agent Toolsを選択すると、以下のような画面になります。ここで呼び出すエージェントに対し、タスクを割り振ることか可能です。

今回使うエージェントのタスクとしては「Look up a record in a dataset(条件に合ったレコードの検索タスク)」と「Search relevants documents in a Knowledge Bank(文書検索し回答を生成するタスク)」を選択します。

レコード検索のためのエージェントにはdataset_lookup、pdfから回答を生成するエージェントはpdf_agentと名付けます。

レコード検索では使用するデータセットとカラムを選択します。

設定は以下のようにしました。

Lookup columnsで検索対象のカラムを設定します。

Data columnsでデータを取得するカラムを設定し、Retrival modeで複数カラムからデータを取得、Max recordsで取得する最大レコード数を選択します

次にpdf_agentを作成します。Search relevants documents in a Knowledge Bankを選択します。

今回はKnowledge Bankを作成したもののみ設定し、他のパラメータはデフォルトのままにします。

次に作成したAgent toolと各エージェントを紐づけます。

Dataiku上でAI Agentを使うにはフロー下部にあるGenerative AIからAgentを選択する必要があります。(今回はVsiual Agent)

選択すると、エージェント名を決めるポップアップが出てくるので今回は「pdf_agent」と設定します。設定が終われば次のような画面に映ります。

ここではエージェントのバージョン管理ができます。次にv1を選択し、詳細の設定を行います。

まずLLMで使用するエージェントに搭載するモデルを選択します。

ADD TOOLを選択し、作成したAgent toolを選択します。

設定し終えてSaveすると、画面上でエージェントとフローが結びついた形になります。

dataset_lookupも同様の形で設定します。最終的なフローは以下のような形になります。

4.エージェントの使い方

エージェントを設定し終えたら、次はチャットボット形式でエージェントを呼び出します。

Dataiku上でエージェントを用いてチャットボットを作成するにはAgent Connectが必要です。Agnet Connectはプラグインからインストール可能です。

作成したエージェントを用いてチャットボットを作成するにはWebappsから作成します

NEW WEBAPPからVisual Webappを選択します。選択したら、Agnet Connectを選択し、チャットボットの作成に移ります。

 

今回はエージェントを呼び出すための設定について解説します。その他の詳細な設定はこちらのドキュメントを参考にしてください。

https://doc.dataiku.com/dss/latest/generative-ai/chat-ui/agent-connect.html#requirements

エージェントを呼び出す設定はAnswers&Agents configurationで行います。

Projectsでエージェントを作成したプロジェクトを選択します。

Agentsで作成したプロジェクト内のエージェントを選択します。

Provide a description for each agent で作成したエージェントの役割を明記します。役割を明記することによってタスクに適したエージェントが呼び出されやすくなります。

今回は以下のように設定しました。

実際のUIで回答がどのように生成されるか確認してみます。

あらかじめ質問例を設定して、回答を生成してみます。

回答は以下のように生成されました。

質問に対し、適切なエージェントが選ばれ、エージェントに割り振られたタスクを返しています。また情報源も提示しています。

質問の内容に応じたエージェントから情報を取得し回答を行っています。

次に別の質問をしてみます。

 

こちらも質問の内容からエージェントを呼び出し、回答を生成しています。該当のドキュメントから情報を呼び出しています。

このように質問内容に対しエージェントを呼び出し、自立的にタスクをこなし回答を生成してくれるチャットボットができました。

5.おわりに

従来のRAGなどのチャットボットだと、文書を検索し回答を生成するというタスクのみをこなし、プロンプトに応じた内容でLLMが動くというものでした。

AI エージェントを用いたチャットボットだとRAGの機能だけでなくデータの検索など多数のタスクをこなせるものが利用できます。

AIエージェントを利用することにより、高機能なチャットボットを体験することがDataikuで可能になりました。

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